【1日目】
6月3日(水)、いよいよ2年夏の学校の始まりです。1日目は、あいにくの小雨のなかの集合となりましたが、大変さでさえ楽しめるたくましさを持つのが成蹊の子どもたちです。正門前広場には、元気な笑顔が揃いました。
8時30分、箱根に向けてバスにて出発しました。午前は、1年生の時には悪天候のため乗ることのできなかった、念願の海賊船に乗ることができました。船内に飾られている海賊の人形や、悠々と風を切りながら芦ノ湖を進む海賊船に、終始大興奮で、「私も海賊船が欲しい」と話していた子どもたちでした。お昼過ぎに箱根寮に到着。着いてすぐに昼食を頂き、その後、寮のアトリウムで開校式を行いました。寮長ご夫妻をはじめ、お世話をしてくださる寮の皆さんが、笑顔で迎えてくださいました。1年ぶりの箱根寮は、子どもたちにとって、懐かしく感じたようです。
午後は、雨が上がったため、箱根寮の敷地をゆっくりと散策しました。そして、入浴、日記を書いた後、寮長さんの作ってくださった美味しい夕食を頂きました。
夕食後には、子どもたちの先輩でもある蹊医会の大鶴医師に、診察も行って頂きました。今年度も、箱根寮の「診療所」は大盛況です。就寝前の「夜の集い」では、英語科の岡崎先生が、英語の歌やダンスの活動を行いました。子どもたちのにぎやかな歌声が、アトリウム中に響いた楽しい時間となりました。歯磨き後、9時前には就寝しました。皆の期待に応えるべく、充実の夏の学校にしていきたいと思います。
【2日目】
6月4日(木)、昨日の天気とはうってかわって、本日は快晴。鳥のさえずりの聞こえるすがすがしい朝の空気の中、寮内に広がる「乗風台」にて朝礼を行いました。
今日は、箱根旧街道石畳を歩きます。子どもたちは、朝から気合い十分でした。この石畳は、江戸時代に東京と京都をつなぐ道として、多くの旅人たちが通行した「東海道」の一部です。2004年には、国指定の史跡にもなっています。今回、子どもたちは、合計約8キロの道のりに挑みました。「大変だ、大変だ」と言いながらも、友だちと声を掛け合い、励まし合いながら進む子どもたちの姿は、大変立派でした。湖畔を歩く途中、箱根神社の大鳥居、芦ノ湖のキラキラ光る水面など、たくさんの美しい景色にも出会うことができました。道中、箱根名物の「甘酒茶屋」で、よく冷えた甘酒も頂きました。甘酒茶屋の創業は、約400年前、江戸時代初期とのことです。砂糖を使わない自然な甘さと共に、脈々と続く伝統にも想いを馳せました。箱根やすらぎの森でお弁当を頂き、帰寮。
午後は、乗風台で思い切り遊んだ子どもたちでした。美術科の新美先生の彫刻作品「風のなか」も、大人気でした。入浴、学習(日記の記入)の後、夕食。
本日の夜の集いは、ナイト・ウォーク(肝試し)です。ルールは、寮の敷地をグループで一周する間に、三枚の「お札」を集め、ゴールするというものです。途中、教員・職員・医師が扮する「お化け」も待っています。満点の星空の下、友情がさらに深まった時間にもなりました。ナイト・ウォーク後、ご褒美の夜食として、神奈川県の銘菓「稚児まんじゅう」を頂き、就寝しました。今夜は、あっと言う間に眠りについた子どもたちでした。
【3日目】
6月5日(金)、晴れのち曇り、ときどき雨。今朝も、乗風台にて朝礼を行いました。本日の昼食は、寮内のバーベキュー場での飯盒炊さんです。班ごとにお米を洗い、水加減を調節しました。寮内でたくさんの小枝を拾い、焚き火も子どもたちがおこしました。バーベキュー場の大きな釜戸で、皆でおしゃべりをしながら大きなウインナーも焼いて、おかずにしました。熱々のウインナーをとても美味しそうに食べていた子どもたちでした。食事は、芝生にシートを敷き、ピクニックのようにして頂きました。時間もかかりましたが、自分たちで炊いた真っ白なご飯と、豚汁の味は格別で、豚汁のお代わりにはびっくりするような大行列ができていました。昼食後、午後は「箱根寮ウォークラリー」を行いました。子どもたちに、箱根寮の地図の描かれたスタンプカードを渡し、寮の敷地内に隠れている6人の教員を探してもらいます。それぞれの教員の出題する、問題を全てクリアできればゴールです。途中、小雨に降られ、早めの終了となってしまいましたが、広い箱根寮の敷地のあちこちから、子ども達の楽しそうな笑い声が響いた時間となりました。おやつのリンゴジュースを飲み、入浴。学習(日記の記入)の後、夕食を頂きました。夕食時には、ウォークラリーの表彰式も行っています。本日の夜の集いは、宮下教頭先生の企画によるたくさんのゲームで、たいへん盛りあがった夜の集いになりました。会の最後には、「無事に帰京できますように」と、皆で大きな掛け声をかけました。明日は、夏の学校最終日です。箱根寮最後の夜を惜しみながらの就寝となることと思います。
【4日目】
6月6日(土)、いよいよ本日が最終日です。朝食後、部屋の掃除を済ませ、アトリウムにて閉校式を行いました。今日で三泊四日の二年夏の学校が閉校します。住み込みでお世話してくださった寮長ご夫妻、同行してくださった蹊医会の医師を始め、数えきれない方々の支援や協力で成り立った夏の学校でした。自分のことは自分ですること。仲間と助け合うこと。自然を愛し、のびのび生活を楽しむこと。心と体を鍛え、常に新しい自分でいること。皆で過ごした、この三泊四日の経験は、普段の生活に戻っても、いつでも子どもたちの心を勇気づけ、励まし続けてくれることと思います。お世話になった方々への挨拶をしっかり済ませた後は、バスに乗車し、箱根寮を後にしました。