第1日目 6月5日(日)
いよいよ4年生夏の学校の始まりです。お父さんお母さんに手を振って成蹊学園を出発しました。途中、海ほたるで休憩をして、海の博物館を目指します。朝から降っていた雨もお昼頃にはあがり、ほっとしました。
お弁当の時間をはさんで、海の博物館と海中展望塔の見学をしました。海の博物館は、勝浦や館山、九十九里浜、東京海底谷など、房総半島各地の海岸や海中の様子が紹介されています。海の特徴と、そこに生きる様々な生き物について学習しました。水深8mの海中展望室からは、イシダイやハコフグなどたくさんの魚を見ることができました。今後の学習につながる見学ができてよかったです。
リゾートイン白浜に着いてすぐに開校式を行い、5日間お世話になる方々に挨拶をしました。その後は館内の探検をして、入浴をすませ、日記を書きました。
夕飯を美味しく頂いているうちに日が暮れ、19時過ぎには空に3つの惑星(木星、火星、土星)が見え始めました。幸運なことに、今夜は星の観察ができそうです。
夜の集いの前に大広間で上手な布団の敷き方を教えてもらい、20時に前庭へ出ました。こんなに美しい星空観察が出来るのはこの学年が初めてとのこと。芝生にレジャーシートを敷き、わくわくしながら寝転がります。はじめに春の星座を見つける手がかりを教えてもらい、星座早見盤を持って星の観察のスタートです。
おおぐま座の北斗七星、うしかい座のアルクトゥルス、おとめ座のスピカと、春の大曲線を見ることができました。また、火星と並んで赤く輝くさそり座のアンタレスや、木星近くにしし座のレグルスも見つけることができました。最後は七夕のおりひめ星として知られる、こと座のベガを観察して終わりです。来年は志賀高原で夏の星座を楽しめると良いですね。
部屋に戻り、布団を敷いて就寝。満天の星空の下、すてきな夢を見ていることでしょう。
〜日記より〜
夏の学校の始まりです。リゾートイン白浜に行くバスの中で、けしきをみながら、(早く着いてほしいな〜。)と思いました。
でもその前に、海の博物館に行きます。海中展望台に先に入ります。先生が、「8mくらい深いです。」と言っていました。ぼくはそんな深くまで行った事がないのでめずらしい体験なのでうれしいです。いっぱい魚が泳いでいました。えさをつるしてあって、そこにたくさんの魚がいたので、絶好のチャンスでした。海の博物館では、15分間のビデオを見ました。1つは海の紹介です。そして2つ目は、海は友達です。15分間という短い時間ですがよく分かる説明だったので思い出になりました。
リゾートイン白浜に着いてテンションマックスになりました。あいさつは、Aくんです。初めて千葉にいったのでなおさらわくわくしました。白浜での新しいホテルでの4泊5日の生活が始まります。遊んで勉強して、めりはりをつけてやりたいです。
第2日目 6月6日(月)
朝から気持ちの良い青空が広がり、朝の集いは前庭の芝生でラジオ体操を行いました。朝ごはんはバイキング、磯での活動に備えてしっかりと食べました。
午前は塩浦海岸で磯の生物採集です。マリンシューズを履き、ヘラと網を持って元気に出発しました。理科の先生の話を聞き、注意することの確認をして、各グループ活動開始です。岩の表面や岩のひさしの裏、岩にくっついている海藻、砂の中をよく見て探します。大きな岩を起こしてみると、隠れていた生きものが出てくることも!見つけるたびに子どもたちは大きな声で喜んでいました。岩にはりついている生きものをへらではがしたり、友だちと協力して網の中に追い込んだりして、カニ、ヤドカリ、アメフラシ、ウニ、ヒトデ、小魚、貝、ナマコ、エビなど多くの種類の生物を採集することができました。
午後は、ホテルの大広間で生物の観察をしました。自分たちで見つけてきた生きものにはどのような体の特徴があるのかを調べます。午前中に採集した生きものたちはとても元気で、脱走しようとするカニを捕まえることにも夢中になっていました。たくさんの生きものを捕まえているので名前が分からないものもあります。成蹊小学校の理科の本「海はともだち」や図鑑を見て名前を調べてから、エサをあげたり、板に乗せたり、さわったりして、ていねいに観察をします。時間をかけてじっくり取り組み、気づいたことはスケッチと文章でまとめました。観察が終わると水槽やカップ、透明の下敷き、本などの片付けをし、生きものは先生たちが海に戻しました。また1つ、ここでしかできない学びができたと思います。
夜も天候が良く、ナイトウォークに出かけることができました。ホテルからバスで15分移動し、民家もほとんどない道を1時間半ほど歩きながらホタルの観察をします。今夜はゲンジボタルとヘイケボタルの光がとても美しく、幻想的な光景でした。真っ暗な夜道を、ホタルに誘導されるかのように歩いたのです。例年にも増してホタルを多く見ることができ、そっと手を伸ばすとホタルが近寄ってくるほどでした。とても貴重な体験ができました。1日の最後の活動で疲れたのか、帰りのバスで寝てしまう子も多数・・・。今夜もぐっすりと眠ることができそうです。
第3日目 6月7日(火)
朝から曇り空で気温もあまり上がらず。しかし、このお天気が午後の活動には最適でした。
朝の集いは前庭の芝生で南中ソーランを踊りました。運動会が終わったばかり、まだまだ体が覚えているものですね。白浜の海に向かって大きなかけ声とともに元気いっぱい踊りました。
午前は多々良海岸で地引網をしました。漁師さんの説明を聞き、二手に分かれて長さ200mの網を引っぱります。網の両側に並び、後ろの人に縄を送るイメージで引っぱりました。ソーラン節のかけ声をかけている子たちもいて、朝の踊りが良いウォーミングアップになりました。左右に分かれて引いていたところから少しずつ網の幅を狭めていき、網が波打ち際に近づくと魚が跳ねているのが見えました。カワハギ、ハコフグ、スズキ、サヨリ、クロダイなどが網にかかっています。そして今年はカタクチイワシが大漁に獲れました。
午後は、塩作りを行いました。海水から、どのくらいの塩ができるのかを確かめるのです。まず、班ごとにブロックでかまどを作ります。そして空気の通り道を作りながら薪を組み、火をおこしました。うまく火がついたら、海水1Lをフライパンに入れて蒸発させます。どの班も火力を上手く保つことができ、最終的に海水1.5〜2L分の塩を作ることができました。
塩作りと並行して、午前中に獲れたカタクチイワシを手で開きました。頭を取ってハラワタを出し、お腹から開いて骨を取ります。出来たての塩をつけて網焼きにし、美味しく頂きました。
また、理科の先生を中心に、大釜で海水 80L分の塩作りを行いました。丸一日かかって作られた塩は子どもたちのおみやげになります。
夜の集いは、多々良海岸から戻る途中に拾ってきた貝殻を使って、美術の先生とフォトフレーム作りをしました。夏の学校の思い出の1枚が飾られることでしょう。
〜日記より〜
「しおの食べ歩き」
海で、まずはじめに地引きあみをしました。去年はアジがたくさんとれたそうですが、今年はイワシがたくさんとれました。そして、リゾートイン白浜に戻ってきました。
そして、しおづくりをしました。車を止めるときに後ろにあるストッパーのようなブロックを4つ、まず下にしき、その上にダイヤの形になるようにあと4つおきます。火をもやしつづけるために、風がふいている方向を少し開けます。次に木を中に10〜15本最初に入れます。まわりに新聞紙を入れて着火ざいを中に入れたら、マッチで火をつけます。そして、フライパンの中に海水を入れたらだんだんとしおがでてきます。そしてできたしおを、自分たちでさばいたイワシをしおにつけ、少しやいて食べました。その後、ぼくは他の班のしおを食べ歩こうと思いました。まずは東の2はん。ぼくは1ぱんなので、もう食べました。2はんのしおは少量じゃしょっぱくなく、多いとしょっぱかったです。それからも他のはんのも食べに行きました。「ねぇ、今、しおの食べ歩きしてるんだけど、食べていい?」「いいよ、べつに。」と、ちゃんときょかをえて食べさせてもらいました。東の班のしおは全部食べたのに(まだまだものたりないなー。)と思って、ついには西組と南組のも全部食べました。しかし、「北の人はまだ魚さばいているのか・・・。」「うん、だから行くぞ。」とあっしーにいわれたけど、「北のも食べたいな。」と言いながらさりました。
楽しい地引きあみとしおづくりでした。北のもやっぱり食べたいです。「食べてぇ〜。」
第4日目 6月8日(水)
朝晩は雨でも、活動時間中には降らず、そして暑過ぎず。今日も天候に恵まれました。
午前は2回目の磯の生物採集と観察です。塩浦海岸に到着後、理科の先生の話を聞いて活動開始です。1回目で採れなかった生きものや、もう一度観察したい生きものを探します。2回目の活動になるので、生きものが住んでいそうな場所の見当をつけてから探し始めていました。昨晩に雨が降ったことと水温が低かったことで生きものの数は少なかったのですが、子どもたちが採集する数は多く、さっそく学習の成果を見せてくれました。採集した生きものはバケツに入れて観察をします。前回学んだことを確認するかのように、よく見て触っていました。観察したあとは生きものたちを海へ帰してあげました。
午後は根本海岸で海浜植物の観察をしました。理科の先生から観察のポイントなどの話を聞き、まずは平地と砂浜の自然の様子の違いを考えます。日当たりは、風の様子は、土や砂の様子はどうか。そして「海はともだち」を見ながら植物を探しました。ハマボウフウ、ハマヒルガオ、ハマニガナ、ネコノシタ、ハマエンドウ、コウボウムギ、ケカモノハシ、コマツヨイグサ・・・。色の濃さや表面の様子をよく見てスケッチし、葉の厚さや硬さも手で触って特徴をつかみました。地上部のスケッチが終わってからは地下茎や根を掘ってみます。縦に伸びているのか横に伸びているのかを確認し、ていねいに掘りました。教員も子どもたちに負けないよう、必死になって掘りました。成蹊小学校で見られるような植物とは様子のちがう植物の観察ができて良かったです。
夜の集いは大広間で歌って踊りました。
先生のギターと子どもたちの元気な歌声、「キャンプだホイ」「すいかの名産地」は、いつでも盛り上がります!最後の夜を思いきり楽しみました。
〜日記より〜
「いそ・・・第2」
そして、今日は木曜日。いそへ行くのは2回目です。私は、前回いっぱいとってしまったので、(そんなにいないよなぁ~。)と期待はしていませんでした。そしてバスでいそにつきました。まずは岩の上などを、てきとうに歩きました。水を見ていると魚がいます。でも、私の目的は、ウミウシ、アメフラシを、見つけることです。すると同じ班のYくんが「あっ!ウミウシだ!」と、さけんだので私は「えっ!えっ!」と、ころびそうになりながら早歩きをしていくと、思っていたよりも、ず~っと小さい青ウミウシがいました。少しびっくりもしたし、とってもとってもうれしかったです。青ウミウシは、青い体に黄色い点々が何個かありました。おしりの方には小さなイソギンチャクのようなのがついていて、頭の方には、小さな3~5㎜ほどのしょっ角がついていて、歩くときはかたつむりのように、ゆっくり、ねっとり歩いていました。たとえるなら、と~~~ってもカラフルできれいなナメクジのようでした。今日でいそは最後なので少しさみしかったです。でも、またこういう体験をしてみたいです。
「植物観察」
プシュー。ぼくはバスから降り根本海岸に着きました。持ち物はすいとう、タオル、海はともだち、ルーペ(虫めがね)です。それから先生から観察用の紙をもらいメジャーを持ちどんな花があるか探しました。そして見つけたハマボウフウを観察することになりました。ぼくは絵をかき、根っこをかんさつするために土をほり根っこをさがします。シャベルで「ザックザック」と土をほりました。しかしまだまだ続きます。なので「くそ~まだかよ。」と3人でほりました。もう2人は「ザッザッ」とほっています。それから27㎝ぐらいになると先生が「子どもの手じゃすいちょくのげんかいがあります。」と言ってシャベルでせまい穴を広げてくれたので「オー。」みんな「もうあんな所に。」と言いました。そしてめっちゃほって、先生たちが写真をとりに来ました。ぼくは心の中で(はずかしっ。)と思いました。最後には61㎝もいきました。たのしかったです。
第5日目 6月9日(木)
夏の学校最終日を迎えました。朝から雨が降っていたのでロビーで閉校式をし、5日間大変お世話になったリゾートイン白浜の皆さんに挨拶をしました。
9時にホテルを出発し、海底地すべり地層の見学をしました。理科の先生の説明を聞きながら実際に地層を見て4年生なりの理解をしていたようです。地層は6年生で詳しく学習します。
いよいよ夏の学校最後の活動、潮干狩りです。金田海岸に着く頃には雨も上がりました。マリンシューズと短パンに着替え、熊手と網を持って干潟に出ました。子どもたちは夢中になって1時間半ほどあさりを掘り続け、良いお土産となりました。その後、成蹊学園に戻って16時に解散となりました。
さて、4泊5日の夏の学校が終わりました。4月に新しい学級となり、5月に国際学級の仲間を迎え、まだスタートして2ヶ月の4年生です。この夏の学校を通して、新しい仲間との絆も深まったことでしょう。これからの学校生活や理科の学習が楽しみですね。
この夏の学校に送り出してくれたお父さん、お母さん、そしてお世話になった多くの方に感謝をして夏の学校を終えたいと思います。