小学校だより一覧

2016年07月19日行事

5年生夏の学校 【最終日更新しました】


【1日目】
7月16日(土)、5年生の夏の学校が始まりました。
5年生の夏の学校の場所は、長野県の志賀高原です。見送りに来てくださった教頭先生と保護者の方々に挨拶をし、8時5分に成蹊学園正門前広場を出発しました。
この日は、3連休の初日ということもあり、道路は大変混雑していました。途中2回のトイレ休憩をとり、予定よりも1時間遅く、目的地である浅間火山博物館に到着しました。
浅間火山博物館では、まず、館内の見学をしました。火山のしくみや浅間山の歴史、そして、浅間の自然のことを学びました。限られた時間の中で、子どもたちは、たくさんメモをとっていました。
その後、自然遊歩道を散策しました。火山活動によりできた「鬼押し出し」の観察以外にも、ヒカリゴケや高山植物を見つけてスケッチをし、浅間火山博物館をあとにしました。
5時30分、ようやく木戸池温泉ホテルに到着です。開校式では、代表の2人が、今回の夏の学校への思いを述べました。
入浴、夕食をすませると、大広間に集まり「夜の集い」を行いました。今日は、志賀高原でのはじめての夜で、興奮気味の子どもたちですが、明日からはじまる「登山」に向けて、しっかり体を休めるようお話しました。
明日の志賀山・裏志賀山登山に期待と不安を抱きながら、夏の学校1日目の終了です。











【2日目】
今日は、志賀山と裏志賀山の登山でした。ホテルを出る直前に小雨が降り出したので、出発を30分ほど遅らせました。ホテルのマイクロバスで硯川まで移動し、そこから前山リフトに乗ってやや標高の高い所まで上がります。いよいよ登山のスタートです。始めは緩やかな道なので、林田先生の生き物ガイドがありました。子どもたちにも余裕の様子が見えました。ところが、30分ほど歩くと、道が急になりました。大人でも手を使わないと登れないほどです。子ども達は手にはめた軍手を使って、上手に登っていました。そして、やっとのことで、志賀山山頂に辿り着きました。山頂では、先生から飴をもらい、元気を取り戻しました。続いて、裏志賀山です。志賀山から少し下り、またほぼ同じだけ登ります。山頂の神社でしっかりお参りをし、行程踏破の祈願をしました。
次に、裏志賀山を下りて四十八池に向かいました。木道を歩きながら、生き物の確認もしました。四十八池の東屋付近で昼食をとりました。
次に、四十八池を出た後、大沼を経由して、バスとの合流地点を目指しました。ここから、2時間ほど下りが続きます。しかも、だらだらと下っていくので、とても疲れるのです。疲れている子どもが多かったようですが、なんとか合流地点に辿り着きました。
宿にもどって、風呂と夕食を済ませたあと、ホタルの観察に行きました。
この学年の子どもたちは、4年生の夏の学校でホタルを見ているので、それほど感動しないと思っていたのですが、暗闇に見える小さな光に、癒されるように見入っていました。
1日を終えてみると、ほぼ計画通りに過ごした1日となりました。











【3日目】 7月18日(月)
朝起きると、この時期の志賀高原には珍しい快晴。朝会をやる頃には、既に日差しが痛いくらいでした。朝食を済ませ、準備を整えたら、まずは、西・南組が東館山植物園に向けて出発しました。
発哺温泉のゴンドラ駅から、ゴンドラリフトに乗り、標高2000mの植物園に到着しました。ここは、志賀高原のほぼ中央に位置し、約500種類の高山植物を保護している場所です。
園内での注意事項、スケッチのやり方の説明を聞き、学習班で行動開始です。その直後、子どもたちが騒ぎ始めました。「クマだ」「クマがいる」と聞こえてきます。どうやら、植物園から見える森の中を親子の熊が通過したようです。比較的、遠い場所だったことと、人間の声を熊が警戒し、それ以上は近づいてこないだろうと判断し、そのまま観察を継続しました。
約30分後、後発の北・東組も到着し、先発の2クラス同様に観察を開始しました。まずは、園内を見て回り、その美しさと花の多様性を感じたあと、気に入った植物の観察・スケッチを行いました。子ども達はニッコウキスゲ、ハクサンフウロ、ヤナギラン、ヒオウギアヤメ、クガイソウ、シラネニンジン、コバギボウシなど花が目立つ植物や花の形が特徴的なものをよく観察していたようです。これで、昨年の夏の学校で観察した浜辺の植物に続き、特殊な環境で生活する植物を観察したことになります。この経験により、植物の多様性、植物の環境への適応方法などを感じることができたのではないかと思います。
観察後、昼食をとり、西・南組からゴンドラリフトを使い、下山を開始しました。下山後は、信州大学自然教育園まで宿舎のバスで送ってもらい、歩いてホテルを目指しました。道の途中で、2つのきれいな池を見たり、岩の上に生える植物の生命力に驚いたり、水辺や湿原の特徴的な景色を楽しんだりしながら、1時間ほどでホテルに到着しました。最後まで、天気に恵まれた日でした。
15時前には後発の2クラスもホテルに到着し、早めの入浴となりました。子どもたちは、お風呂でさっぱりした後は、それぞれの部屋で日記を書いたり、仮眠をとったり、ゲームをしたりそれぞれのんびり過ごしました。子どもたちにとっては、良い休養の時間となりました。友達とのんびりとした時間を共有できるのも、夏の学校の良さの1つです。
夕食後は星の観察を予定していましたが、残念ながら好天は夜まで続かず、濃霧に包まれてしまいました。19時頃、星の観察の延期を決め、夜の集いは音楽の時間となりました。山口先生の指導により、子どもたちも思いっきり歌を楽しみ、アルトリコーダーの演奏も行いました。子どもたちの美しい声と美しい演奏が志賀高原に響く、印象的な夜でした。











【4日目】 7月19日
子どもたちが楽しみにしていた飯盒炊さんとハンバーグ・サラダ作りを宿泊しているホテルのキャンプ場で行いました。担当の先生に説明を聞いて、調理開始です。
まずは、米を水にひたしている間に、かまどに薪を組み上げたり、たきつけのための枝や枯れ草を集めたりしました。サラダ作りも同時に手際よく進んでいきます。子どもたちは各グループで役割分担を工夫していたようです。なかなか太い薪に点火できずに、薪を組み直しているグループもありましたが、あきらめることなく、様々な工夫をして火をおこし、調理を進めていました。グループ内で意見がぶつかることもあったようですが力を合わせてハンバーグとサラダを完成することができました。どの料理も子どもたちが工夫をこらしたものです。全員が満足気に食事をしていました。また、今回は料理コンテストも開催されました。
午後からかんじき作りでは、独特なロープの結び方に悪戦苦闘しながらも、しっかりと取り組んでいた子どもたちです。なかには完成したかんじきをはいて歩いている子どももいました。
夜の集いでは、お世話になった宿の方に感謝の気持ちを伝えるためのメッセージカード作りと、料理コンテストの結果発表を行いました。コンテストの結果に大いに盛り上がった子どもたちです。
就寝準備の時間が少し短くなってしまいましたが、子どもたちは素早く準備をすることができました。







【5日目】 7月20日(火)
7月20日、夏の学校5日目を迎えました。今日は朝から笠越登山へ向かいました。まず出発したのは東.南組。続いて約40分後に西・北組が出発しました。
笠越の登山口へ向かうため、ホテルからバスで熊ノ湯スキー場へ向かい、ゲレンデを登ります。夏場はリフトが動いていないので、徒歩で斜面を登りました。ゲレンデには、昨日までに学習した高山植物の花々が満開で、空には素晴らしい青空が広がり、とても気持ちよく歩くことができました。ゲレンデを抜けると、ゆったりした山道に入ります。緑の生い茂る気持ちの良い道を1時間ほど歩くと、いよいよ笠越登山口に到着です。後から出発した西・北組が登山口でお弁当を食べていると、先に出発した東・南組が笠越から下山してきて、しばらく一緒にお弁当をいただきました。笠越登山道は、急な階段が続きます。「これくらい、平気平気!」という子どもたち。最後の急な岩場を上手に乗り越えて、約30分で頂上へ着きました。頂上は霧がかかり、幻想的な風景が広がっていました。
笠越から下山し、帰り道の熊ノ湯ゲレンデでは自由遊びの時間をとりました。「箱根寮を思い出すね!」と、子どもたちは大草原を走り回ったり、転げ回ったり…とても楽しい時間を過ごしました。
ゲレンデからはバスに迎えに来ていただき、ホテルに着いてすぐにおやつのアイスをいただきました。その後、入浴、夕食を済ませ、みんながとても楽しみにしていたキャンプファイヤーです。
キャンプファイヤーでは、五年生全員で大きな炎を囲み、楽しいゲームやフォークダンスを1時間ほど楽しみました。最後には皆で肩を組み、小さくなっていく炎を見守りながら『志賀高原の歌』と『ビリーブ』を大合唱。子どもたちの歌声が、山々にこだまし、素晴らしい時間となりました。
子どもたちが歌をうたっていると…なんと空を覆っていた雲が遠ざかっていき、きらきらと輝く星々が顔を出し始めたのです!そこで、急遽、林田先生に星の説明をしていただきました。夏の大三角も観察することができました。諦めかけていた星の観察ができたことで、夏の学校の全ての活動を行うことができました。
美しい志賀高原の大自然と、仲間との友情に浸った1日でした。











【最終日】 7月21日(水)
夏の学校最終日。起床してからは丁寧に荷物整理をして、使った部屋もきれいに後片付けをすませ、最後の閉校式です。 ホテルの方々にお礼を述べ、美しい木戸池に別れを告げて9時前に出発。帰りのバスの中は、疲れとお家の人に会えるという安心感からか、もしくは昨日、最後の夜を部屋で楽しみすぎたのか、ぐっすり眠る子どもたちがほとんどでした。 6日間という中で、子ども達はたくさんの経験をしました。今年は天候に恵まれての夏の学校であり、充実した夏の学校となりました。「鍛錬」を中心としたこの夏の学校で、子ども達はよりいっそうたくましい心と体がつくれたと思います。今後、ここでの頑張りが学校生活の中でもたくさん見られると思っています。